ライカ、自分でそう名乗る日本人の女のコ。最愛の母を亡くした自分の境遇を、旧ソ連の宇宙計画でスプートニク2号に乗せられた悲劇のライカ犬に重ね合わせている。同時に、いつか自分も宇宙へ行きたいという憧れも抱いている。ユーリャ、有名な女優になるためにオーディションを受け続けるロシア人の女のコ。なかなか結果が出ず、焦りは募る一方だ。モスクワのとある片隅でライカと出会い、放っておけなくて自分のアパートに連れてきてから、2人の共同生活がはじまる。ユーリャは天真爛漫と孤独が背中合わせのライカのことが興味深く、どんどん好きになっていく。
2人だけの夢のような日々。料理を一緒に作ったり、笑い合ったり。しかし、1人の男性の出現でその関係は微妙なズレを生み出し始め、さらに大きな事件をきっかけに一変していく。思いが強すぎるゆえに傷つけ合ってしまう2人の女性の葛藤を、美しいモスクワの街の中に描き出す。