ハイビジョン国際映像祭2001ドラマ部門フェスティバル表彰作品。制作費1億円というドラマとしては破格の規模で制作されたBSデジタル放送用のドラマ。森脇道弘(渡辺いっけい)カスミ(天海祐希)夫婦の長女、有香(春名美咲) が行方不明になった。家族は石山洋平(三浦友和)一家の誘いで、北海道にある石山の別荘に遊びに来ていた。印刷業を営む森脇夫婦にとって、石山は仕事をもらう大切な取引先だ。事件は道弘がわずかに目を離した間の出来事で、警察も必死の捜査を行ったが手掛かりすら発見できず、カスミたちは途方に暮れる。 実は石山とカスミは二年前から深い関係にあり、二人は家族の目を盗み、別荘の一室で体を重ねていた。有香を発見できぬまま四年が過ぎた。道弘を含む周りの人々はすでに疲れ果てていたが、カスミだけはあきらめることができない。テレビの尋ね人番組に出演したこところ、北海道から情報がもたらされる。その情報が誤りだと聞かされても、カスミは自分で確かめずにはいられない。さらに道警の刑事、内海純一(松岡俊介)が協力を買って出た。 内海は末期ガンでもう長くはない。有香を探すカスミと内海の旅が始まる。 情報を求め、道内をさまよう二人。 その途中、カスミは事件以来石山に再会する。事業に失敗して失踪していた石山は、すっかり変わっていた。もうろうとした意識の中、内海は事件の真相に思いを巡らす。やがてカスミと内海は、カスミが十八年前に捨てていた実家を訪れることになるが…。「原作も読んだのですが観ていて辛くなるドラマでした。特に何度も想像される誘拐シーンは映像だと余計に辛い。この中では主人公が故郷を捨てる。私自身も故郷はとっても田舎だったので主人公の気持ちはわかる。(ガンに侵された刑事役の役者は死の雰囲気が漂って凄いなと思いました)【文・タケちゃん】」地上波ではTBSで2002年8/5(月)、8/6(火)の23:50-25:55に「BS-iハイビジョン名作ドラマセレクション」として放送された。クレジット表示のみ・ユースタジオ、シーエフ。